「振袖火事」の名で知られる明暦の大火亡くなられた、身元や身寄りのわからない人々の冥福を祈るために建てられたという両国の回向院。
勧進相撲にまつわる「力塚」や動物供養の馬頭観音堂、また鼠小僧次郎吉の墓など見所は多い。今回訪れたのは、その鼠小僧の墓の少し奥にある「水子塚」。
回向院のHPによれば、この塚は寛政五年(1793)、時の老中松平定信の命によって造立されたもので、水子供養の発祥ということだそうだ。

正面には地蔵菩薩坐像が浮彫にされた古びた塔が建ち、その周りを可愛いお地蔵様が大勢、風車(かざぐるま)とともに取り囲んでいる。静かでやさしい空間だ。
撮影を終えた後、型どおり手を合わせ、顔をあげたその瞬間、色鮮やかな風車がくるくると音もなく回りだした。
いや、偶然なのだろうが、私のささやかな祈りに対して水子の霊が答えたような気がして、少しうろたえてしまった。
(回向院:墨田区両国 2-8-10)





